複利がトレードにおいて最も重要な力である理由
毎月一定の3%で成長するトレード口座は、1年後に36%になるわけではありません。実際には42.6%に達します。その差である6.6ポイントが複利の効果です。毎月の利益は、それまでの利益をすでに含んだ元本に対して適用されます。5年後には誤差では済まない差が生まれます。3%の月次リターンを60ヶ月複利運用すると、元本の5.89倍のリターンが得られます。同じ3%を毎月元本にのみ適用する単利では、1.8倍にしかなりません。
この数学的事実こそ、経験豊富なトレーダーが個々の勝ちトレードの大きさを最大化するよりも、一貫性とドローダウン回避をはるかに重視する理由です。12ヶ月のうち10ヶ月は+3%、2ヶ月は−2%を稼ぐ戦略は、5ヶ月は+8%を稼ぎ、残り7ヶ月は損益ゼロかわずかにマイナスになる戦略よりも、複利での成果が優れています。ポジティブなリターンの予測可能性はそれ自体が競争優位となります。なぜなら、複利が中断なく機能する期間を最大化できるからです。
複利成長の計算式
最終残高 = 開始残高 × (1 + r)n
rは各期間のリターン(小数表記)、nは期間数です。月次リターンの場合、nは月数となります。無料の複利成長計算ツールでは、任意のリターン率と期間数を入力でき、開始残高の変更にも対応しています。また、資産曲線を数値で表示するため、元本が大きくなるにつれて後半の期間で成長が加速していく様子を確認できます。
| 月次リターン | 1年 | 3年 | 5年 |
|---|---|---|---|
| 1% | +12.7% | +43.1% | +81.7% |
| 2% | +26.8% | +103.2% | +243.7% |
| 3% | +42.6% | +196.0% | +489.1% |
| 5% | +79.6% | +513.2% | +1,745.6% |
一貫した月次リターン2%だけで、5年間の複利運用により口座残高は10倍になります。これを実現する単一のトレードは存在しません。利益を着実に再投資し続けた数学的な結果です。
CAGRと72の法則
CAGR(年平均成長率)は幾何平均による年率換算リターンです。口座が毎月3%成長する場合、CAGRは(1.03)12 − 1 = 42.6%となります。CAGRを使えば、異なる運用期間の戦略同士を比較できます。例えば、18ヶ月で口座を2倍にした戦略のCAGRは約59%です。
72の法則は便利な暗算の目安です。年率リターンの割合で72を割ると、口座が2倍になるまでの年数が概算できます。年36%(月次3%複利)の場合:72 ÷ 36 = 2年。年24%(月次2%)の場合:72 ÷ 24 = 3年となります。
ドローダウンは複利を中断させる
複利に対する最大の脅威は、大幅なドローダウンです。20%の損失後、口座が以前の高値に戻るには25%の利益が必要です。40%の損失後には67%の利益が必要になります。この回復利益は小さくなった元本から生み出さなければならないため、同じリターン率では回復に比例して長い時間がかかります。毎月3%を稼ぐが時折20%のドローダウンが発生する戦略は、最大ドローダウン5%で毎月1.5%しか稼がない戦略より実際には複利の進みが遅くなります。後者は「回復ラップ」が一切不要だからです。ドローダウンと回復に関するガイドでこのテーマを詳しく解説しています。
出金と複利レートの関係
トレード口座から定期的に出金すると、将来の利益が複利で働く元本が減少します。これは出金に反対する理由ではありません — 出金こそトレードの目的です — しかし、その影響をシミュレーションする理由にはなります。毎月の利益の50%を出金する場合、実効複利レートはおおよそ半分に減少します。複利計算ツールでは、出金後の純リターンを入力することで出金シナリオをモデル化できます。